みちしるべ

『みちしるべ』第18号 2006年5月24日発行

 

夏を迎えるお茶

お茶を楽しむ会主宰 近藤 美知絵

♪夏も近づく八十八夜
野にも山にも若葉が茂る
あれに見えるは茶摘みじゃないか♪

過日、三重県宮川村に出かけ山を歩いて来ました。
昔、奈良から伊勢に抜けるため人が通ったという今はなき山道を五十分程登ると、突然杉木立の元に小さなお茶の木が点在しています。これはお茶の木があった所に、後で杉を植えたのでしょう。案内の地元の人が引き抜こうにも根が張っていて抜けません。その時、四国カルストの山茶“ばんばら茶”を思い出しました。
ばんばら茶は山茶の極みともいえるお茶。熱湯をさしただけではお茶の葉が開く状態にならないほど葉がしっかりしていて、その土地の人は、やかんにお湯を沸騰させ茶葉を入れグラグラ煮て(宿煮して)飲んでいます。夏はこれを冷やして飲みますが、この宿煮はとてもおいしく、私も毎日楽しんでいます。今年はぜひ皆さんに、各おばん茶やばんばら茶を宿煮にし、冷やしてガブガブ飲んでいただきたいと思っています。
乾いた喉を潤し暑さを凌ぐだけでなく、発汗による血液のドロドロを防ぎ、血圧も安定します。お茶は薬種。こうしてみると、会のお茶はバラエティに富んでいます。宿煮のお茶はもちろん、香り豊かな“冷やし茶”もあります。
夏を迎えるお茶はガブガブ飲めるお茶。まだ若い新茶ではなく、何年経っても飲める熟したお茶が最適です。

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